
教育費
教育費について考え始めると、
「いくら必要なのだろう」
「今のうちから準備した方がいいのだろうか」
と感じることがあるかもしれません。
その中で、専門家への相談を考える方もいると思います。
ただ、相談をするかどうかにかかわらず、最初に大切なのは、教育費についての“前提”を考えておくことです。
なぜなら、教育費は、最初から答えが一つに決まっているものではないからです。
進路や家庭の考え方によって、必要になる金額や準備の方法は大きく変わります。
もちろん、準備の方法を考えることは大切です。
ただ、その前に、
「何を前提に教育費を考えるのか」
を整理しておくことで、その後の選択もしやすくなります。
この記事では、教育費について相談する前に、あるいは自分で考え始める前に、確認しておきたいポイントを順番に見ていきます。
まず考えたいのは「進路の幅」
教育費を考えるとき、
「教育費はいくら必要なのだろう」
と、まず金額が気になることもあると思います。
ただ、教育費は進路によって大きく変わります。
例えば、
- 公立中心なのか、私立も含めるのか
- 大学進学を想定するのか
- 自宅通学なのか、下宿の可能性もあるのか
といった違いによって、必要になる金額は変わってきます。
つまり、教育費は最初から一つの金額に決まっているものではありません。
それにもかかわらず、
「大学までで○○万円必要」
という数字だけを見ると、あたかも“確定した支出”のように感じやすくなります。
ただ、実際にはそう単純ではありません。
教育費は、
「どのような進路を想定するか」
によって変化する支出です。
そのため、最初の段階で必要なのは、進路を決め切ることではなく、
「どのくらいの幅を考えておくか」
を確認しておくことだと思います。
例えば、
「高校までは公立を基本に考える」
「大学は私立の可能性も含める」
「自宅通学を想定しているが、下宿の可能性もゼロではない」
といったように、“幅”として考えることはできます。
この段階で、無理に答えを決める必要はありません。
ただ、ある程度の幅を持って考えておくことで、その後の準備方法も考えやすくなります。
「どこまで親が負担するのか」も前提になる
進路とあわせて考えておきたいのが、
「どこまでを親が負担するのか」
という点です。
例えば、
- 学費はどこまで負担するのか
- 仕送りをするのか
- 奨学金の利用も想定するのか
によって、必要な準備は変わります。
ここで大切なのは、「どれが正しいか」を決めることではありません。
家庭によって考え方は違いますし、状況によって変わることもあります。
例えば、
「大学の学費だけを負担するのか」
「仕送りまで含めるのか」
によって、必要になる金額は変わります。
そのため、どこまでを親が準備するのかを考えないままだと、必要額そのものも見えにくくなります。
教育費の話では、どうしても金額が先に出やすいものです。
ただ、その前に、
「何を教育費として考えるのか」
を考えておくことも大切になります。
教育費は「総額」だけでは見えにくい
教育費については、
「大学までで○○万円」
という形で、総額が示されることがあります。
もちろん、全体像を把握するという意味では参考になります。
ただ、実際の支出は、その金額が一度に必要になるわけではありません。
例えば大学の場合、
- 出願時に受験料
- 入学時に入学金と前期授業料
- その後は後期分や2年生以降の授業料
という形で、時間をかけて発生していきます。
小学校から高校までについても同じです。
毎月の授業料や教材費、部活動費のように継続的にかかるものもあれば、入学時のように、一時的に大きな支出が発生する場面もあります。
つまり、教育費は、
「総額として存在するもの」
というより、
「時間の中で少しずつ発生していく支出」
として見ていく必要があります。
この視点が抜けると、
「○○万円必要」
という数字だけが強く意識されやすくなります。
一方で、
「いつ、どのくらい必要になるのか」
という形で見ていくと、準備の考え方も変わってきます。
「いつまでに必要か」で考え方は変わる
教育費の準備では、「時間」も重要な要素です。
例えば、大学入学が近づいている段階と、まだ子どもが小さい段階とでは、考え方は変わります。
子どもが小さい場合には、時間をかけながら少しずつ準備を進めることもできます。
一方で、必要な時期が近い場合には、短期間でどのように対応するかを考える必要があります。
教育費について考えるときは、
「どのように準備するか」
だけではなく、
「あとどのくらい時間があるのか」
という視点も大切になります。
教育費は長期のテーマとして語られることが多いですが、実際には、
「どのタイミングで支出が発生するのか」
によって、考え方は変わってきます。
教育費は家計全体の中で考える
教育費だけを切り離して考えることはできません。
なぜなら、教育費は家計全体の中から支出されるものだからです。
例えば、
- 今後の収入はどうなりそうか
- 共働きを継続できそうか
- 転職や働き方の変化の可能性はあるか
といった収入面。
さらに、
- 住宅取得
- 住み替え
- 車の買い替え
といった将来の支出も関係してきます。
もちろん、将来を正確に予測することはできません。
ただ、大まかな方向性を考えておくだけでも、
「どの程度なら無理なく負担できそうか」
は見えやすくなります。
教育費の準備では、「理論上できるか」ではなく、
「家計全体の中で続けられるか」
という視点も欠かせません。
最後に考えたいのは「優先順位」
教育費は、とても重要な支出です。
ただ、家計の中には教育費以外にも、
- 老後資金
- 住宅費
- 現在の生活費
など、さまざまな支出があります。
そのため、
「教育費をどの程度優先するのか」
によって、選択は変わります。
例えば、
「教育費をできるだけ優先したい」
という考え方もあれば、
「現在の生活や老後とのバランスも重視したい」
という考え方もあります。
ここに絶対的な正解はありません。
ただ、自分の中の優先順位が曖昧なままだと、提案を受けたときに、
「なんとなく安心できそう」
という感覚で判断しやすくなります。
一方で、自分なりの優先順位が見えていると、
「自分の考え方に合っているか」
という視点で比較しやすくなります。
相談の前に必要なのは「手段」より「前提」
ここまで見てきた内容をまとめると、相談前に考えておきたいのは、
- どのような進路を想定するのか
- どこまでを親が負担するのか
- 教育費がいつ発生するのか
- 将来の収入や支出をどう考えているのか
- 何を優先したいのか
といった、「前提」の部分です。
一方で、
- 保険を使うのか
- 投資で準備するのか
- 毎月いくら積み立てるのか
といった“手段”は、その後に考えることができます。
もちろん、相談の場では、こうした方法の提案が中心になることもあります。
だからこそ、事前に前提を考えておくことで、
「その提案が自分たちの考え方に合っているか」
を判断しやすくなります。
まとめ
教育費について考えるとき、
「何を使って準備するか」「いくら必要なのか」
に意識が向きやすいものです。
ただ、その前に必要なのは、
「何を前提に考えるのか」
を整理しておくことではないでしょうか。
進路の幅。
負担の範囲。
支出の流れ。
時間軸。
家計全体との関係。
そして優先順位。
こうした前提を一つずつ考えていくことで、教育費の見え方は少し変わってきます。
相談する場合でも、自分で考える場合でも、少し立ち止まって考えてみるだけで、その後の判断もしやすくなるのではないでしょうか。
今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。