
家計管理
給与明細の控除は負担?安心?それぞれの視点で見えてくること
給与明細を見たとき、多くの人が最初に確認するのは「手取り額」ではないでしょうか。
その横に並ぶ「控除」の項目を見ると、「思ったよりも引かれている」と感じることもあるかもしれません。
実際、日常生活の中でも「税金が高い」「社会保険料の負担が大きい」という声を耳にすることは少なくありません。控除は、どうしても「損」として映りやすい存在です。
損と感じやすい理由
控除が「損」に見えるのには、いくつかの理由がありそうです。
- 引かれると意識しやすい
もらえると思っていた金額から差し引かれると、「取られた」と感じやすい。 - 今と将来を比べると今が大事に思える
年金や医療制度は将来のためですが、何十年も先のことより、今減る金額の方が重く感じられる。 - 見返りが不確かに見える
健康なら医療保険を使う機会は少ないですし、年金についても「将来本当に受け取れるのか」という不安がつきまとう。 - 使い道が実感しにくい
税金が道路や学校に使われていても、「自分のお金がここで生きている」とはなかなか感じにくい。
こうした要素が重なり、「控除=損」という印象につながっているのかもしれません。
控除が果たしている役割
一方で、控除には暮らしを支えるさまざまな機能があります。
- 健康保険料:病気やけがのときに医療費を軽くしてくれる。
- 厚生年金保険料:老後の生活を支える基盤になる。
- 雇用保険料:失業や育児休業時の給付につながる。
- 介護保険料:高齢期の介護費用を分かち合うために使われる。
- 所得税・住民税:道路や教育、警察・消防など社会の基盤を維持する。
これらは「自分自身を守る仕組み」であると同時に、「社会全体の安心」をつくるものでもあります。
両方の側面をどう受け止めるか
控除は「損に感じやすい仕組み」でありながら、「必要なときに助けになる仕組み」でもあります。
将来の制度に不安を感じる人もいれば、病気や失業のときに大きく支えられる人もいます。
つまり、控除には「負担」という一面と、「安心」という一面が同時に存在しているといえそうです。
どちらを強く感じるかは、個人の経験や状況によっても変わりそうです。民間の医療保険にも同様の多面性があると思います。
あなたはどう感じますか?
給与明細の控除欄を見て、「また引かれてしまった」と思うのは自然なことだと思います。
けれども同時に、そのお金が「未来への備え」や「社会の支え合い」に使われている側面もあります。控除に対する受け止め方は一人ひとりの視点によって変わりそうです。
毎月の給与明細を開いたとき、あなたは控除をどのように感じますか?
何らかの参考になれば幸いです。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。