
家計管理
はじめに
「お金を使うと減る」──これは誰もが知っている当たり前の事実です。通帳の残高が減り、財布の中の現金も減っていきます。特に高齢期になると、その思いが強くなる方も多いでしょう。
けれど、お金は減っていく一方で、使うことで増えていくものもあります。
不安をなくすために残すという選択
年齢を重ねると、将来への不安が大きくなることがあります。
- 病気になったらどうしよう
- 介護が必要になったら費用がかかるのでは
- 年金だけで暮らしていけるだろうか
こうした不安を避けたい思いから、できるだけお金を使わず、手元に残しておく方も少なくありません。確かに残せば減らないので安心につながります。ただ、残すことばかりを優先すると、日々の楽しみや健康のための工夫にお金を回しにくくなることもあるでしょう。
使うことで増えていくもの
お金を使えば残高は減ります。しかし同時に、使うことで得られるものもあります。
- 栄養のある食事にお金を使えば、健康が維持できる
- 趣味や旅行にお金を使えば、思い出や経験が積み重なる
- 友人や家族との交流にお金を使えば、人とのつながりが広がる
- 住まいを整えれば、安心感や快適さが増す
これは高齢期だけでなく、若い世代にも当てはまります。資格取得に投資したり、交友関係にお金を使ったりすることで、将来に役立つ価値を得られることもあります。
花に水をやるように
たとえるなら、花に水をやるようなものです。水は減りますが、その代わり花は元気に育ち、美しく咲きます。
お金の使い方も同じで、残高は減っても人生を彩る何かが育っていきます。
ただし、水は多ければよいわけでもなく、少なすぎても花は育ちません。さらに、葉にかけるよりも根に届くように土に与えるほうが効果的です。そして、朝に与えるのと真昼に与えるのとでは結果が違うように、タイミングも大切です。
お金の使い方もこれに似ています。必要なところに、適切な量を、ふさわしい時期に使うことで、暮らしを支える力になっていきます。
まとめ
お金を残しておくことは、不安を和らげる方法のひとつです。けれど使うことで、健康や人とのつながり、思い出といった大切なものが増えていくこともあります。
お金は減っても、人生の豊かさは増えていく。
そのバランスをどう取るかが、これからの暮らしをより充実させるヒントになるのかもしれません。
今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。
