【書籍紹介】『研究者としてうまくやっていくには 組織の力を研究に活かす』長谷川修司(著)講談社(2015)

書籍紹介

概要

今回ご紹介する書籍は、特に理工系研究者を目指す方に対して書かれた本です。

著者の理工系分野における経験を基に、研究者として生きていくために必要な「研究以外」のノウハウなどが多く書かれており、参考になると思います。理工系だけでなく、人文・社会科学系の研究者にとっても有益なことが書かれている書籍だと感じました。

印象に残ったこと

寝食を忘れて研究活動に打ち込む姿が研究者のイメージとして思い浮かぶかもしれません。しかし、本書の中で著者は、そのような研究スタイルが通用するのは大学院生までであり、長く研究生活を続けるためには、常識的な生活習慣の中で研究を進めることが重要だと述べています。長期的な視点で研究者としてのライフプランを捉えることも大切なのだと気付かせてくれる内容でした。

研究不正のことについても触れられており、研究者コミュニティの存続にも意識を向けるという、研究者としての視野を広げてくれる内容も書かれています。

長年研究の世界で生きてきた著者の具体的なアドバイスが書かれた本書は、研究者として生きていくためのヒントを得られる有益な書籍だと感じました。

最後に、本書に書かれている印象に残った一節を引用します。

「古き良き時代、大学教授が「高等遊民」と言われて自分の好きな研究に没頭できていた
時代はとっくに終わりました。現代では、教授とは、研究者だけでなく、教育者、指導者、
マネージャー、政策決定者など「怪人二十面相」的職業になっているのです。」pp.227-228

今後も研究者のライフプランに関する書籍を紹介していきます。

研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。