【書籍紹介】『海外で研究者になる-就活と仕事事情-』増田直紀(著)中央公論新社(2019)

書籍紹介

概要

今回ご紹介する書籍は、海外の大学でPIとしてのキャリアを考えている方に向けて書かれたものです。

著者自身が海外で研究生活を送った経験をもとに、現地の実情を具体的に語っています。

2019年当時の状況に基づいた内容ではありますが、研究生活を考えるうえで役立つ情報が多く含まれています。

さらに、著者の経験談に加えて、海外で活躍する日本人研究者へのインタビューも収録されており、情報量が豊富で多様な状況を知ることができる一冊です。

印象に残ったこと

特に印象的だったのは、海外でPIとして生きていく際の生活面について具体的な情報が書かれている点です。

現実的なテーマが多く取り上げられており、読者は実際の生活をイメージでき、海外での研究生活が自分に合っているかどうかを現実的に検討する助けになると感じました。

また、さまざまな国や分野で活躍する研究者へのインタビューが紹介されている点も魅力です。異なる立場の声が書かれているため、多様な読者にとって参考になる内容だと思いました。

さらに、海外の大学について知ることで、日本の大学との比較も可能となり、日本で研究を続ける利点を改めて理解するきっかけにもなると感じました。

著者は本書に書いた内容を実際に実践し、就職活動を経て別の大学に移り、現在はミシガン大学に在籍しているそうです。

印象に残った一節

最後に、終章に書かれている印象に残った一節を引用します。

「PI就職における最適解は、国や分野、あるいは個々の大学、そして本人の価値観により、大きく異なる。」p.246

今後も研究者のライフプランに関する書籍を紹介していきます。

研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。