
資産形成
はじめに
数年前のコロナショックは、私たちの生活に大きな影響を与えました。日常生活の不安や混乱が続き、資産形成どころではなかったという方も多かったのではないでしょうか。私自身もその中の一人で、積立投資をしていたにもかかわらず「投資していることを忘れていた」と言えるほどでした。
振り返れば「あのとき増額していれば」と思うこともあります。しかし、もし実際に当時の株価や評価損益を見ていたとしたら、果たして冷静でいられただろうか、とも感じます。
そう考えると、投資を「忘れていた」こと自体が、結果的に長期投資を続けるうえでプラスに働いたように思えます。
投資を忘れていたことの意味
積立投資には、自分で購入する方法もありますが、ここで注目したいのは「一度設定すれば自動的に継続できる仕組み」です。私はこの仕組みを利用していたため、コロナショックの最中でも投資のことをほとんど気にせず過ごせていたのだと感じています。
株価が急落していた時期に毎日株価チャートを確認していたら、不安に駆られて「やめよう」「一度売ろう」と考えていたかもしれません。しかし、実際には忘れていたからこそ、感情に左右されることなく積立を継続することができていました。
偶然に思えるかもしれませんが、これは「仕組みに任せていたからこそ起きたこと」だと感じています。
あの時もし気にしていたら
「もし当時、投資に気持ちが向いていたら?」と考えることがあります。含み損が大きくなっていく状況を目にすれば、資産の一部だけを振り向けていたとはいえ、冷静さを保つのは難しかったと思います。「一度止めよう」と判断してしまった可能性もありますし、日常の不安にさらに投資の不安が重なり、生活全体に影響していたかもしれません。
また、長期的に見れば暴落時は購入する良い機会だと頭では理解していても、実際の場面で行動が伴うとは限りません。
理解と行動の間にはずれがある。これが、投資の難しさの理由の一つだと後から改めて感じた出来事でした。
後から思うこと
時間が経って振り返ると「あのときに増額していれば」と考えることはもちろんあります。結果から考えれば、暴落の時期に買い増していた場合、その後の回復で大きな成果を得られたでしょう。
ただし、当時は社会全体が混乱し、まず生活を守ることが最優先でした。冷静に判断できたかどうかは分かりません。むしろ「動かなかったからこそ続けられた」という側面があったように思います。
積立投資と心理の距離感
コロナショックのとき、私は投資を忘れていたことで積立を継続できたと感じています。
数年後に振り返ったとき、自然に積み上がった成果が残っていることに気づきました。
投資は「やめずに続けること」が難しいと言われることがあります。その意味で、自動積立の仕組みがもたらす心理的な距離感は「やめずに続けること」の大きな支えになるのではないでしょうか。この仕組みによって、資産形成をしつつ、普段の生活に集中することができるという利点もあると思います。
まとめ
コロナショックを振り返ると、投資を「忘れていた」ことが結果的に安心につながったように思います。値動きを逐一確認していたら、不安に流されてやめていたかもしれません。
後から振り返れば「もっとできたかも」と思う気持ちはありますが、当時投資のことを忘れるぐらいの状況であったからこそ、積立を継続できたのだと感じています。
今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。