
家計管理
家計を整えたい、将来に備えたい、貯金を増やしたい。そうした思いから、支出の見直しを始める方も少なくないと思います。
節約をゲームのように楽しめる場合がある一方、続けていくうちに、「なんだかつらい」「我慢ばかりしている気がする」と感じる場合もあるかと思います。
今回は、後者のような感じ方に焦点を当て、「節約」が工夫や調整ではなく「我慢」に変わってしまうことについて考えてみたいと思います。
「節約=無駄遣いを減らす」という前提
節約とは「無駄遣いを減らすこと」と考えることが多いのではないでしょうか。支出を見直し、不要な出費を抑えることは、家計管理の基本ともいえます。
ただし、「無駄遣いとは何か」を考えると、その基準は人によって、状況によってもちろん異なります。
自炊するのがしんどい時の外食は無駄でしょうか。
気晴らしになる趣味に使うお金はどうでしょうか。
友人との会食にかかる飲食費は減らすべき支出でしょうか。
ある人にとって、ある状況においては大切な支出でも、別の人にとって、別の状況においては削れる無駄な支出に見えることがあります。
つまり、「無駄かどうか」は一律に決めにくい性質を持っています。
無駄の定義があいまいだと、我慢になりやすいのかもしれない
無駄の定義があいまいなまま「無駄をなくそう」とすると、実際には自分にとって意味のある支出まで抑えることになることがあります。
本当は自分にとって意味があると思っている支出を控えるとき、心の中には小さな葛藤が生まれるのではないでしょうか。
買いたいけれど買わない。
行きたいけれど行かない。
こうした選択が積み重なると、節約は「合理的な見直し」というより、「自分の欲求を抑えること」、言い換えると「我慢」に近づくのではないでしょうか。
節約が我慢として感じられる場面が増えていく可能性があります。
そして、我慢してしんどい気持ちになり、その反動で使い、また我慢してしんどい気持ちになるという流れが生まれると、支出は安定して減るというより、増えたり減ったりを繰り返し、その都度一喜一憂することになります。
そのような状況では、「節約しているつもりなのに、思ったほど貯金が増えない」と感じることもあるのではないでしょうか。
節約の考え方を見直すという視点
節約そのものが問題なのではありません。
支出を見直し、家計を整えることは大切な取り組みです。
ただ、無駄遣いを減らして節約をするというときの「無駄」の基準が揺らいでしまうことはなかなか避けられません。
また、「減らすこと」「抑えること」だけに目がいくと、必要な支出まで抑えざるを得ず、我慢の対象になりやすい面があると思います。
節約という考え方を見直し、例えば、減らしたお金をどこに振り向けるのか、そのお金は何に変わるのか、どんな安心や選択肢に結びつくのか、といった点に目を向けることが一つの有用な視点かもしれません。
今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。