
書籍紹介
概要
今回ご紹介する書籍は、「ライフスタイル起業」という考え方を紹介したものです。
「ライフスタイル起業」とは、事業規模の拡大や売上の最大化を目的とするのではなく、自分の望む生活を実現することを前提として仕事の形を考えるというものです。
事業の成長よりも、生活とのバランスを重視した働き方が紹介されています。
本書では、大きな資金や特別な資格を必要としない事業の事例も多く取り上げられています。
趣味や経験、地域とのつながりなど、身近な資源を活かした小規模なビジネスが紹介されている点も特徴の一つです。
著者は大学教員であり、経営学の観点から、「ライフスタイル起業」について研究しています。
その中には、著者自身が「自分でも取り組めそうだ」と想定している事例も多く含まれています。
起業というとハードルが高いものとして捉えられることもありますが、ハードルを低くする重要性といかにしてハードルを低くするかという方法についても解説されています。
また、大学教員としての多忙な日々の中で著者自身も起業を考えることがあるという点についても赤裸々につづられています。
そのため、起業に関心のある人だけでなく、研究者や大学教員にとっても参考になる部分があるように感じました。
印象に残ったこと
印象に残ったのは、起業を「事業の成長」という観点だけで捉えないという視点です。
起業というと、売上を伸ばし事業規模を拡大していくことが当然のように求められることがあります。
しかし本書では、生活とのバランスを取りながら無理なく続けられる規模で事業を運営するという考え方が紹介されています。
働き方の選択肢が広がりつつある現在、このような考え方を知ることは参考になる部分もあるのではないかと感じました。
本書は、仕事と生活の関係を改めて考えるきっかけを与えてくれる一冊のように思われます。
研究者や大学教員にとっても、研究活動や教育と生活のバランスをどのように考えるかという点で、ライフプランを見直すきっかけになる部分があるように感じました。
最後に、印象に残った一節を引用します。
「『プロレベル』の技能や知識だけがお金になる=市場価値がある、という風に考えてしまう我々の思考そのものが、好きなことで楽しく生きていく可能性を閉じている。」p.87
今後も研究者のライフプランに関する書籍を紹介していきます。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。
