【資産形成】分からないまま投票しなかった日─競艇場で得た投資の大切な教訓

資産形成

投票したい気持ちはあったけれど

ある休日、競艇場に行きました。水面を走るボートの音が聞こえ、「せっかくだし投票してみようかな」という気持ちが湧きました。手持ちの現金がなかったので、スマートフォンでキャッシュレス投票の方法まで調べました。

しかし、ここでふと気づきました。
競艇場で手に入れた出走表には、次のような数字や記号がびっしり並んでいました。

  • 勝率
  • 2連率
  • コース別進入回数
  • モーター番号
  • 今節成績
  • 体重や年齢

この中には、そもそも用語の意味が分からないものもありました。
また、「勝率」や「体重」のように言葉の意味自体は理解できても、それがどのように勝敗に影響するのかが分からないものも多くありました。

この状態では、数字を見ても「勝率が高いから勝てそう」、「体重が軽いから速そう」という何となくの印象でしか判断できず、ほとんど勘に頼った予想をすることになってしまいます。

分からないものには手を出さない

結局、投票することをやめました。理由はシンプルです。

「分からないものには手を出さない」


これは株式投資にもそのまま当てはまります。様々な指標やチャートが目の前にあっても、それらがどういう意味を持つのか理解できていない状態で、数字や企業の名前だけを見て判断すれば、運任せになってしまいます。

数字は理解してこそ判断材料になる

例えば、株式投資の世界で「PER(株価収益率)が低いから割安だ」と聞くことがあります。
しかし、その企業の株価が将来の業績悪化を見越して下がっている場合、その数字は「割安」であることを示しているのではなく、「危険信号」だと言うことができます。


数字やデータは、その背景まで理解して初めて意味を持ちます。

競艇でも同じです。勝率が高くても、その数字が特定の状況で行われたレースにおける結果なのであれば、今回のレースで通用するとは限りません。

背景を無視して数字だけを頼りにすれば、思わぬ結果になることがあります。

分からないまま手を出した場合のリスク

もしあの日、数字の意味も背景も分からないまま投票していたら、単なる勘頼みの勝負になっていたはずです。
運よく的中したかもしれませんが、それは再現性がなく、長期的には損失が大きくなった可能性があります。

投資でも同じで、企業の株を「なんとなく良さそう」で買ってしまえば、予想外の悪材料で急落したときに対応できません。

根拠がなければ、さらなる損を防ぐべく売却すべきか、売却せずに持ち続けるべきかの判断もできず、結果的に大きな損失につながる可能性があります。

機会損失を恐れない

投票することを見送ったあの日、もし買っていたら当たっていたかもしれません。
でもそれは結果論でしかありません。

投資の世界でも同じで、「チャンスを逃すかも」という焦りは判断を狂わせます。この焦りについては、FOMO(Fear Of Missing Out:取り残されることへの恐怖)という言葉もありますね。

わからない状態で動いてしまえば、一時的に勝つことがあっても長期的には損をする可能性が高くなると思われます。

今回の経験で改めて認識した、投資に活かせる3つの教訓

  1. 数字は背景まで理解して活用する
  2. 印象や勘に頼らず、根拠を持った判断をする
  3. 分からないときはあえて行動しない

まとめ:最もシンプルで強力なリスク管理

競艇場で「ちょっと投票してみようかな」と思い、方法まで調べたものの、出走表の数字や背景を理解できなかったために投票しなかった。

この経験は、「分からないものには手を出さない」という、投資における最もシンプルで強力なリスク管理の原則をあらためて教えてくれました。

理解できないものにお金を投じない。

この判断も、資産を守るために重要なことの一つです。

ただし、数字を背景まで理解して活用したからといって、投資で必ず利益が出るということではない点には注意が必要です。

今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。

研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。