【ライフプランニング】お金の理想とその裏側 ─絵本『せかいいち おおきな うち』から考える

家計管理

はじめに

子ども向けの絵本やそのタイトルが、大人にとって思いがけず新しい意味を持つことがあります。

「スイミー」や「フレデリック」で知られるレオ=レオニ作の絵本『せかいいちおおきなうち』という言葉を目にしたとき、私は「理想に見えるものにも裏表がある」ということを改めて考えさせられました。

大きな家や豊かな資産は、多くの人にとって憧れや安心の象徴かもしれません。しかし一方で、それを持つことで新しい負担や不自由さが生まれることもあるのではないでしょうか。

今回は、そのタイトルから得られた気づきをもとに、お金との付き合い方について考えてみます。

理想が必ずしも「良いこと」ばかりではない

理想を持つことは、生きるうえで大切なことだと感じます。大きな家に住みたい、もっと資産を増やしたい、高い収入を得たい。こうした願いが努力や成長のきっかけになることも少なくありません。

ただし、その裏側には別の顔があることにも気づかされます。大きな家を購入すれば大きな費用が必要ですし、住み始めてからは維持費もかかります。資産が増えれば相続や税金、管理の手間が生じます。収入が上がるほど、仕事の責任やプレッシャーが強まることもあるでしょう。

理想そのものは悪いわけではなく、むしろ人を前に進ませる力になります。ただ、その影にあるコストや負担も合わせて考えてみると、理想に対するとらえ方が少し広がるのではないでしょうか。

安心が増えると、不安も増える?

「もっとあれば安心できる」と思うのは自然な心理です。けれども「多すぎることで失うもの」があることも忘れられません。

たとえば財布に多くのお金を入れていると安心する反面、落としたり盗まれたりしないかという不安が増すことがあります。大きな家に住めば誇らしさを感じられる一方で、掃除や維持に追われて心身の負担を覚えることもあるでしょう。

「ちょうどよさ」を大切にする

大切なのは、どちらか一方が正しいと決めるのではなく、自分に合った「ちょうどよいサイズ」を探すことではないかと思っています。

お金との付き合い方も同じで、「もっと持つ」ことを目指すだけでなく、「どれくらいあれば理想の生活に近づけるか」を考えてみることが、自分に合った豊かさを形づくるきっかけになりそうです。

まとめ

「せかいいちおおきなうち」という言葉から、私は「理想の裏側にあるものを考える」という視点を思い出しました。

お金についても、理想を追い求めることは大切ですが、その一方で生まれる負担や不自由さに目を向けることが役立つかもしれません。

絵本は子どものためのものと思われがちですが、大人にとっても教訓を与えてくれます。シンプルな物語だからこそ、「ちょうどよさ」や「裏表」といった本質的な問いかけに気づかされるのかもしれません。お金との付き合い方を考えるときにも、絵本から得られる視点がヒントになるように感じます。

今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。

研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。