
資産形成
「貯蓄より投資」
最近、この言葉を見聞きする場面が目立つようになっているのではないでしょうか。
- 預金では増えにくい
- 物価が上がっている
- 老後は自分で備える時代
- NISAを活用した方がよい
といった話に触れる機会も増えているように感じます。
その影響もあってか、「投資をしていること」が自然で、「現金中心でいること」に少し不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
その不安から投資を始めた方、これから投資を始めようとしている方がいるかもしれません。
もちろん、投資には合理的な面があります。
長い時間をかけて積み立てることで、将来の資産形成につながる可能性がありますし、物価上昇への備えという意味もあります。
ただ、ここで少し立ち止まって考えたいことがあります。
私たちは、自分で何を確かめて行動しているのでしょうか。
自分で経験する前から、方向づけられていることもある
たとえば、「長期投資が大切」という言葉があります。
確かに、多くの場面で語られている考え方です。
けれども、多くの人は、自分自身が何十年も投資を経験して、その結果から確信を持ったわけではありません。
実際には、
- 専門家の話
- SNS
- YouTube
- ニュース
- 周囲の人との会話
そうしたものを通して、「こちらの方が望ましい」という感覚になっているように思います。
そして人は、繰り返し接した考え方を、自分の行動の基準にしていくことがあります。
それ自体は、特別おかしなことではありません。
私たちは、何でも自分で試してから判断しているわけではないからです。
「健康のためには睡眠が大切」
「運動した方がよい」
「野菜を食べた方がよい」
こうしたことも、多くは社会の中で共有されながら身についていきます。
投資についても、似た部分があるのかもしれません。
不安が大きい時代ほど、「正しい方向」を求めやすい
特に今は、将来への見通しを持ちにくい時代ではないでしょうか。
物価は上がり、将来への不安も語られやすく、「このままで大丈夫なのか」と感じる場面も少なくないと思います。
そうした中で、
「積み立てをしている」
「資産運用を始めている」
ということが、一種の安心感につながることもあります。
その安心感は、お金が増える期待や将来必要なお金を守ることができているという意味で得られているだけではなく、
「今の時代に合った行動をしている」
ということ得ている安心感なのかもしれません。
後者の意味での安心感が大きいと、「自分に合っているか」を見失いやすくなることがあります。
たとえば、
- 生活費に余裕がないのに投資を急ぐ
- 値動きが気になって落ち着かなくなる
- 現金を持っているだけで不安になる
こうした状態になると、本来は生活を安定させるためのお金が、逆に不安の原因になってしまうこともあります。
「自分がどんな状態なら落ち着いて暮らせるのか」
もちろん、投資が合っている人もいます。
価格の変動をあまり気にせず、長い目で考えられる人もいます。
一方で、ある程度の現金があることで落ち着いて暮らせる人もいます。
その安心感があるからこそ、日々の仕事や生活が安定することもあります。
だから、「貯蓄か投資か」を単純に比べることには、あまり意味がないのかもしれません。
また、大切なのは、
「周囲がどうしているか」
よりも、
「自分はどんな状態なら落ち着いて暮らせるのか」
を考えることなのだと思います。
繰り返し触れる言葉は、少しずつ行動に影響する
人は、繰り返し接する言葉や空気に、思っている以上に影響を受けています。
そして、それがいつの間にか、「こうするのが自然」という感覚につながっていくことがあります。
だからこそ、ときどき立ち止まって、
「これは本当に自分に合った形なのか」
を見直してみることも、必要なのかもしれません。
今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。
研究者と研究者を目指す方々が、やりたいことをあきらめないでいられることを願って。